ふたりの間に『広辞苑』
お互いの言葉にだいぶ慣れたと思っていたのに
一緒に住んだら何気ない会話を
聞き返したり、返されたりの日々。
ついこの間は
彼の書いた書道の文字がにじんでいたので
「文字がぶちてるよ」と私が教えたら。
「ぶちてるってなに⁉」と彼。
え!標準語じゃないの?これ東北弁⁉
と早速『広辞苑』をひくと
……ない。
なにせ標準語だと思って話しているので、
こんなことがしょっちゅうです
東北弁(宮城)
ぶちる:(文字や絵などの)インクや絵の具、墨などが紙ににじむこと。
また別の日。
キュウリのゆず和えを食べながら彼が一言
「このキュウリもむないね」
「もむないってなに⁉」と今度は私。
と早速『広辞苑』をひくと
……あった。
しかも(上方語)って書いてある。
勝ち負けなんてないのに
負けた気がしてしまう私です。
関西弁
もむない:うまくない。不味い。
彼は味がないという意味で使用してました。
わが家の広辞苑は第七版です。
初版を予約したので三浦しをんさん書き下ろしの
『広辞苑をつくるひと』の小冊子が特典でついてきました!
これが欲しくて予約したんです♪
広辞苑ができるまで関わった方たちを訪ねたルポエッセイで
現場の熱い思いが伝わってきます。
このカバーを外すと……
表紙に繊細なイラストが描かれています。
広辞苑内に載っている説明イラストです。
これを書くイラストレーターさんとイラストの監修者のお話も面白い。
広辞苑がますます好きになって、撫でてしまいます。
私の言葉(方言?)が、なるべく広辞苑に載っていますように。